読了本

わたしとトムおじさん

わたしとトムおじさん

もと引きこもりで才能ある美術工芸修復家の叔父さん斗六と、帰国子女で日本の学校生活にちょっと馴染めなかった帆奈が織りなす心温まるストーリー。ふたりとその家族は観光施設<明治たてもの村>のスタッフ兼住人なので、エピソードも必然的に古い建築や家具にまつわるものとなる。トムおじさんは持ち前の観察眼で隠れた事実を見つけ出すのだ。2話目が好きだったな。何となく心に沁みた。世間の枠からはみ出した者同士が集まっているのに虚勢がどこにもないのが清々しくて良かった。