失業中の風里がひょんなことから住むことになった古い家。かつての住人は、今もそこにとらわれていた……。ちょっと甘めだけど
梨木香歩『からくりからくさ』みたいな感じの物語。それにしても日下さんの言動は読んでてうーわーとのけぞってしまうほどにキザで、僕は家庭を作るのに向いてないかもとかいいながら避妊はしてませんでしたというくだりにはもうめまいがした。これだからゲージュツカってやつは！ 風里は過去に干渉できないんなら夢見という設定は特にいらないんじゃないか？ と思っていたら最後にうまくはまったねえ。珠子おばさん一瞬しか出てこないのにかっこいいこと。梅の時期には魔女の集会をひらく、おっちょこちょいな苫教授も好きだった。
