読了本

火村英生に捧げる犯罪

火村英生に捧げる犯罪

短編集。「雷雨の庭で」が面白かった。先入観や思い込みで見えなくなることがどれだけあるのか、我と我が生活を振り返ってみたり。それに気付かせてくれるのが本格ミステリを読む楽しみでもある。表題作は面白かったんだけれど、最初のドラマチックな雰囲気にかなり期待してしまったので、あまりにもアホなオチにちょっとだけ肩透かしをくらってしまったというか。話の途中で「あれ、この犯人もしかしてアホなんじゃ……?」とうすうす察してはいたのだが。しかしアリスは森下刑事にすらああいう評価をされてるのによく捜査に加われるなぁ。

あたしをとらえた光 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-2)

あたしをとらえた光 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-2)

シリーズ第2巻。ところどころ話が分かりにくかった。1巻はそうでもなかったのにな。ラウルって結局なんだったの? リーズンたちは納得したみたいだが、そもそも何故ニューヨークにいたのか。例のドアの存在意義も謎のままだけど、ジェイソン・ブレイクはなんで飛行機で飛んでこないの? J・Tが魔法の力で「一度も何かにぶつかったことない」と自慢したすぐ後で人にぶつかるシーンがあったのだがあれは何? 等々の疑問は第3巻で解けるんだろうか(いまはそれがいちばん心配)。
ところでこの表紙イラスト、どこかで見覚えが……と思ったら『Wonder wonderful』の挿絵を描いた結布さんか。3巻表紙はきっとJ・Tだな、楽しみ。