ウッディウィス作品が新訳でぞくぞく復刊中。
ヒストリカル・ロマンスは時代ものとして読めるから好きだ。舞台は11世紀、ノルマン軍の侵攻を受けた
イングランド。新大陸が舞台の
『炎と花』のときはいまいち話にのれなかったのだが、今回は主役のふたり、サクソンの領主の娘エイスリンとノルマン騎士ウルフガーが好きなタイプのキャラだったのでとても面白く読めた。芯の強いヒロイン・エイスリンが薬師でもあるところもポイント高し。薬師主人公は私の萌えポイントのひとつで、『
大地の子エイラ』とか『
アンジェリク』とか『
カドフェル』とか『守り人』のタンダとかもうたまんないのだ。現代医療ものには興味ないのに、原始的な治療の場面が出てくるとやたらめったら楽しいんだよな……(もちろん自分で実践はしない)。薬師じゃなくて、料理でも細工でも、手に技を持ってる女の子っていいよね。
なんでも置いてる古道具屋「ニコニコ堂」に来るちょっと変わった客とのなにげない交流とか、店主の日々雑感とか。フンイキのゆるさが気持ちよくて寝る前に読むといいぐあいに眠気をさそわれた。たはっ、こんなものまで売るのか、と写真のページをめくるたびフワッと力が抜けるのだった(←本文のマネ)。