読了本・コミックス

夢の中で出会った謎の美少女ふたりが普通の中学生だったテルを不思議な世界に導く……。丁寧で優しい絵柄とミステリアスな雰囲気がなかなかいい。女の子の肌や下着の露出度がやけに高いが、まあ少年誌連載だからなあ。「プルチネッラ」という言葉じたいが(多分)まだ作中には出てきてないし、仕事としての「夢渡り(ラタトスク)」についてもはっきりとは描かれてないので、今月出る続きが楽しみ。各章トビラの昔話?童話?が意味深でぞくぞく来る。これが夢渡りとどう関係してくるんだろう。
余談だが「ファンタジー」というとイギリス由来、「メルヘン」ならドイツ、というイメージがある。この作品ではさほど顕著ではないけどイタリア的なモチーフが使われているのかな……? ダイアナ・ウィン・ジョーンズがイタリアを舞台に見事なファンタジー『トニーノの歌う魔法』を描いてて、あっちを陽・動とするならこちらは陰・静なんだが、こういう作品の特徴をつかんだいい言い回しはないかしら。ヴェネツィアのカーニバルとか、ああいう世界を表現する……。