藤堂平助を主人公に、
土方歳三を裏主人公に据えて描かれた時代もの。心理描写などに女性らしい細やかさがあり、男性の目
からしたら少々女っぽすぎる印象を受けるかもしれないが(というか私もちょっとそう感じたのだが)これはこれでけっこういいと思った。虚構のなかでこそ表現できるものがあって、それを作者は書きたかったのだろうから。虚構といっても歴史的なリアルさは外してないし、文章もくせがなく、叙情的に盛り上がるのを自ら禁じているような淡々とした感じで好感を持った。視点人物を変えた
新選組ものをいくつか書いているようなので他のも読んでみたい。