読了本

帰省―未刊行エッセイ集

帰省―未刊行エッセイ集

もうこれ以上あるまい、と思っていたらまだ残ってた、全集などにも収録されてない様々な文章をかき集めた一冊。著者自身が本に収めるにはおよばないと落としたものなどもあるようでやや玉石混交な印象もあるが、ファンならばスッと心に入ってくるような一文にも出会えるだろう。「四月の裏通り」とその後日談などの日常雑記は著者の飾らない人柄がうかがえてほのぼのした気分になるし(『文句、あるか』も好き)、江戸の出版界や清河八郎古田織部について書かれた歴史エッセイも面白かった。