読了本
- 作者: 有川浩,徒花スクモ
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (164件) を見る
不祥事を起こすけしからん隊員が出る度に、あるいは組織ぐるみで迂闊を踏む度に厳しく糾弾されるのは国家防衛部隊として当然のことではあるが、一人一人は懸命にこうして訓練を積んで働いているのだ、と――それを強硬に主張するのではなく、どうか伝わってほしいと願っているかのような真摯な写真だった。(『ダンディ・ライオン』)
これを写真のかわりに小説でやってる有川さんだが、どんだけこつこつイメージアップをはかっても迂闊でけしからん面々がしでかす事件の痛手のほうが大きい。それでも組織のイメージで個人を見がちな世間に、自衛隊員も生身の人間であることを知ってほしいという思いがある限り、有川さんはこういう作品を描きつづけるのだろう。ほとんど賽の河原であろうと。