読了本

平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)

平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)

かなり面白かった。本と書店への愛にあふれた日常の謎もの。出版社の営業であるひつじくんこと井辻智紀があまり探偵探偵してなくて、ちょっとばかり勘の鋭い好青年(しかもしたっぱ)なのが嫌味がなくていいかも。「贈呈式で会いましょう」はスリリングかつシビアだけどあと味のよい終り方で楽しめた。意味深な一言で事件の謎を深めた津波沢先生もダンディ。主要キャラが男中心なのは女性キャラ多めな成風堂シリーズと好対照だ。それにしてもますます本が読みたくなるではないか。ええい『白鳥の岸辺』は実在しとらんのか!

日本に古代はあったのか (角川選書)

日本に古代はあったのか (角川選書)

つい先日、新聞書評に取り上げられてて興味を持ち、散文っぽくない文章を楽しみつつ「確かにいまの時代区分には違和感あるかも」と共感しながら読んでいたのだが、5章あたりではもうパンピーの私ですら「こんなテキトーな話を自説の補強に持ってきていいの?」と呆れるくらい大雑把な論調になって(まあ著者の専門外のことを語っていたからかもしれないが)、この先の展開を信じる意欲をなくしリタイヤ。目の付け所は面白いと思ったんだけどな……というわけで読了してないが記録として残しておく。