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イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫 1872)

イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫 1872)

イザベラ・バード日本紀行 (下)/イザベラ・バード著、時岡敬子訳
北海道でアイヌの村を訪ね、暮らしぶりをつぶさに観察したあと、伊藤と別れて東京に戻り、京都〜奈良〜伊勢を旅して日本を離れるまでを記録。編集部あとがきにもあるようにバードが明治の日本を「一方で侮蔑的表現を用いながらも、一方では愛情を持って」見つめた視点の根本にあるのはおそらくキリスト教で、そのゆるがなさ、ある意味“上から目線”の頑なさにはしばしばたじろいでしまった。でも日本人の宗教観についてあらたに気付かされたことは多く、また仏僧の赤松氏と対話するくだりの、まったく理解できないまでもそのまま受け入れ認識するという彼女の姿勢は印象深かった。当時も今も日本人には欠けがちな姿勢だろう。