読了本

電脳コイル〈5〉 (トクマ・ノベルズEdge)

電脳コイル〈5〉 (トクマ・ノベルズEdge)

アニメ版とは設定も展開もどんどん離れていく感じだが、宮村さんのお手並み拝見とわくわくする気持ち半分、構想練ってあるのかなあと心配する気持ち半分だ。メガネに生活防水すらついてないのは何でだろ。あえて弱点を残してあるのかな、ミチコ対策にとか(口裂け女のポマードか)。イサコに指令を出す“声”も何か雰囲気が……正体はオコノギ室長だったりして。メガばあ視点が出てきて驚いた。しかもなんだか横溝チック。夏祭りのくだりはイサコの意外な側面が見られて楽しかったけど、電脳世界のみならず現実までもがあんなに大災害になっちゃってていいのかしら。

無事、これ名馬 (新潮文庫)

無事、これ名馬 (新潮文庫)

春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る (新潮文庫)のスピンオフ。「その日から吉蔵と太郎左衛門の奇妙な蜜月が始まった」――とくれば、老人と少年の交流をつづった成長物語かと思うところだ。しかしたろちゃんは気弱でも最初からできた子だったわけで。心の動きを逐一追いかけ、成長を見届けていくキャラを主役と呼ぶなら、それにふさわしいのは夫婦約束をしていた男に浮気され別の男に嫁いだ今も迷いが晴れない吉蔵の娘お栄のほうだろう。なんというか、盛った器と中身が微妙に合ってないヘンな小説だった気がする。わりと面白かったが。

通い妻―知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫 ふ 16-6)

通い妻―知らぬが半兵衛手控帖 (双葉文庫 ふ 16-6)

シリーズ第6弾。やっぱり秋山が出てくると話がキリッと引き締まるなあ。単品で味わうより、秋山シリーズの付け合わせとして色どりを添えるパセリみたいになって来てるような来てないような。いや、味噌汁くらいの存在感はあるけど……。そういうコンセプトだからといっていつも知らん顔するこたなかろーに、と思うときもたまにある。数ヶ月ならともかく2年も通い妻状態を知らん顔してる旦那ってホントに優しさからなのか? と勘繰ってしまうなあ。