読了本・コミックス

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

喪失感を抱えている人間が愛によって癒されていく姿には読者もまた癒されていくものだが、桐山零が失ったもの、奪われたもの、得られなかったものはあまりに大きすぎて、読んでてなかなかしんどい。零に自虐的なとこがないのと、3姉妹の明るさが救いだ。彼女らは気楽ながらもいっしょけんめい生きてるので、生命力に欠ける零にはそばにいるだけでエネルギー供給になる感じ。いつかフクフクになれるのかねえ。フクフクといえば二階堂晴信は実にいい。シマフクロウ猫もじつに可愛い。

ファンタジウム(2) (モーニング KC)

ファンタジウム(2) (モーニング KC)

飾らない良の言葉はいつも胸にずばりと切り込んでくるが、拒絶したり決めつけたりしない柔軟さや奥行きも併せ持っている。だからこそ彼のマジックはどんな人をも包み込む、言葉によらない優しさに満ちているのだろう。まるで手品のようなこの巻のラストシーンは心に残った。互いへの信頼はあってもどこか噛み合ってない良と北条。頼りなく危なっかしい絆ではあるけれど、今はふたりの結びつきが生み出す力を信じたい。