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NHK教育電脳コイル」が最終回を迎えた。子どもの頃に観てたらいいトラウマアニメだわ、と思ってたけど無理のない爽やかなエンディングだった。最後だからオープニングもじっくり聴こうと思ってたら無いんでやんの。時間いっぱいぎっしり内容が詰まってて、尺が足りなかったんだなあ……と感じつつ「スタッフお疲れさまでした」と頭が下がる思い。総集編はともかく、ストーリー的には完全に寄り道だったヒゲ騒動や首長竜の回は大好きだったもんだから、遊びの部分はなくてよかったとは決して言えない。
デンスケとの別れのシーンは、それ以前のヌルたちにやられたとこから号泣だったんだけども。ヤサコ並み、いやそれ以上に大泣きさせられた。すでに4回以上観なおしてるのに何度でも涙がボロボロ出てきてしまって止まらない。デンスケがすぐに抱き合わないでちょっとためらうところ、ふいに離れていくところがホントの犬みたいなふるまいでますます泣けた。タケルの叫び「父ちゃんはイマーゴや電脳ペットを人のココロを治すために作ったんだ」も胸にぐっと来る。
おフダで応戦するメガばあかっこいー! オババの切り札のくだりは面白くて息抜きになる(逆にそれ以外の部分がいかに緊迫してるかがわかる)。アイチャッチも可愛かった。これまでに部分的に出てきてたのの全貌なのか? デジタルなノイズや霧のけぶりの入れ方のうまさは今後のアニメ作品に踏襲されていくのではと思う。まあこの作品自体、宮崎作品とかエヴァンゲリオンとかのオマージュ的なところがあるのだけど。
それにしても桑島法子の芸達者ぶりには舌を巻いた。キャラによって役作りをするのは当たり前とはいえ、声色の使い分けが凄い。というか凄まじい。ハスキーなイサコの声がすごく好きなんだけど、彩雲国の秀麗と同じ人がやってるとは思えないもんなあ。ミチコはさしずめ迪子、とかなのかねえ。ユウコとも読めるし*1。「だから行かなければならないの」と髪がほどけるくだりは神がかってた。不揃いなツインテールにはそういう意味があったのか。
百合チックなクライマックスも素直に綺麗だったと思う。魔法少女ではない普通の女の子たちがこういうシーンを繰り広げるところが感動的。舞台が東京じゃないところもいいしなあ。次週から再放送というのも嬉しいプレゼントだ。ほんとうは第二部とか期待したいところなんだけど……猫目はどこへ行ったのか。心の隙間を埋めるために、電脳メガネをもたない私はこの作品の元ネタのひとつであるっぽい天沢退二郎のオレンジ党シリーズでも読み返すかなあ。

*1:進む、教え導く子でミチコの存在とは真逆の意味になるけど、かつてはヤサコもイサコも名は体を現してなかったことを考えればそれもありか。