読了本

玻璃の天

玻璃の天

お嬢様とベッキーさんのシリーズ2作目。ロサンゼルスオリンピックが去年のことというから、時代は昭和8年になるのかな。日常の謎系の「幻の橋」「想夫恋」は文学うんちくとのからみといい北村薫らしい佳品だった。もともと殺人が起こる北村作品はあまり好きになれない(『盤上の敵』とか)のだけど、表題作もあまりぴんと来なかった。作中の主義主張とかにどうもなじめないというか。ベッキーさんの謎が部分的に判明する重要な一編ではあるんだけど。若月少尉って再登場するかな? しかし花村家のお嬢さんと少尉って、はいからさんと掛けてたりは……しないか。