読了本・コミックス

心の家路 (白泉社文庫 え 1-11)

心の家路 (白泉社文庫 え 1-11)

この頃(2000年前後)の遠藤さんはタッチがきれいで話のつくりも丁寧さがにじみ出てくるようで、しみじみいいと思う。いつしか読みふけってしまった。表題作と「明日は幸せ」「グッピー」「チェスナット」が特によかった。人の心のうごきを見つめる作風ながら、恋愛色は薄いところが気に入っている作家だ。もとからあまり絵のうまい人ではないけれどそれなりに味があってよかったのに、最近は筆が荒れてしまって、描き下ろしショート8Pもさほど嬉しくない……というか哀しくなった。もうちょっと丁寧に描くことを心掛けてくれるだけでずいぶん違うと思うんだけどな。