読了本

街の灯 (文春文庫)

街の灯 (文春文庫)

北村薫みっつめのシリーズ、開幕。上流階級のお嬢さまとお付きの女運転手が事件の謎に挑む。北村キャラらしいおっとりした雰囲気のヒロイン花村英子による一人称で話は進むのだが、ベッキーさんがワトソン役というよりもあくまで陰に控えながら、将来有望な子弟を教え導くチューターのようにふるまうのが変わっていて面白い。しかし時代小説が好きで江戸時代の士農工商には慣れていた私でも、昭和初期の階級社会とナチュラルな身分差別には背筋がむずむずすることおびただしかった。それにしてもベッキーさんは謎の女性だ。続編ではその秘密が明かされるのかな?

気持ちよーくチクチクチク

気持ちよーくチクチクチク

手縫いにまつわるエッセイあれこれ。残り糸を継いでふきんを縫うというのはいいアイデアだなあ。はんぱに短すぎて使えない糸でももったいなくて捨てられず、裁縫箱のなかにたまっていく一方だったので。玉どめしなくていいなら、かなり短い糸でもけっこう縫えるものだ。まあ私はパステルカラーの綺麗な糸はほとんど使わないから、実用一辺倒のふきんになってしまうな。が、それもまたよし。