読了本

朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに

短編集。そういえば『黒と茶の幻想』まだ読んでない、と「水晶の夜、翡翠の朝」で思い出す。あのシリーズには手をつけるのをためらわせる異質さがある。そこに惹き付けられもするのだが。「あなたと夜と音楽と」と「深夜の食欲」が面白かった。「いいわけ」のいわずもがななモデルが分からない……。「卒業」もいきなり始まるわけの分からない話ではあるが、印象的な場面を書くのはさすがにうまい。長編にしろ短編にしろ、やっぱりオチで驚かせるタイプの作家じゃないんだなとあらためて思った。