読了本

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

素直で簡潔な文章と豊かな物語性というのは両立するのだな。難解なところはないけれど、展開はありふれていない。だから老若男女に読みやすくて面白い。それが佐藤多佳子の小説だ。一人称だけどほどほどに客観的なのが共感しやすい。コミック化を機に再読したのだが、勝田さんはうまく端折ってあるね。一門会のところとかとても自然だった。でもやっぱりラストはページが足りてなかったみたい。小説版のラストはしみじみよかった。