読了本・コミックス

難波鉦異本 第1巻 (斬鬼コレクションワイド版コミックス)

江戸初期の大坂、新町遊郭の天神（遊女の位）和泉のスットンキョーな振る舞いを赤裸々に描いた大人向けの娯楽作。もりもと崇はアクの強い絵柄だし内容もとびきりエロいのだが読んでみるとたいそう面白い。エロは主題じゃなくて話にパンチをきかせるための調味料なのだ。シモネタ平気な人には心からおすすめしたい。和泉付きの禿（かむろ）ささら視点で描かれてるのがひとひねりあってまた楽しく、ときに切ない。あー早く二巻買お。

新三国志雷霆の如く (電撃コミックス)

もしジブリが三国志をやったらこんな感じかもという印象がちょっとだけあるアクション活劇。何となく、まろやかクシャナと少年ナウシカ。作画の篠崎さんがジブリと関係あるのかは知らないけど……。三国志を知ってたほうがたぶん楽しめる。ちなみに魏中心。曹操が美女だったり豪傑がカラクリゴーレム「凶虎兵」だったりするアレンジがなかなか面白い。ていうか許せるアレンジ。鋼鉄某とかに比べれば。

JIN 第8巻―仁 (ジャンプコミックスデラックス)

ビタミンＢ１たっぷりの洋菓子を作って脚気を治した仁。そしてついに皇女和宮登場！　これがなかなか素敵なキャラで和宮編はかなり面白かった。しかし活躍を妬む者の策略により仁は小伝馬町に送られてしまう……。まさか牢での責め苦が例の大怪我に繋がるのだろうか？　脳内胎児はどう関わってくるのか？　連載はすでに終了してるようなのでコミックス完結編が出るのが楽しみ。

ネリヤカナヤ 壱 (CROWN SERIES)

水滸伝と運命的な出会いを果たした作者がほそぼそ発行していた同人誌を司書房がコミック化。ネリヤカナヤというのは奄美の方言で「海のかなたの楽園」という意味らしい。つまりニライカナイ？　林冲を主役にストーリーを組み立てなおしてあるのだが、中村敦夫主演の日テレ版とはずいぶん違うね（あれも好きだった……）。続きが楽しみ。正統派ヒーローの林冲よりも破天荒な花和尚が味があって好き。

へうげもの(4) (モーニング KC)

なんだか話がすっぱすっぱ飛ぶなあ。柴田勝家なんか、あれだけかっこつけたのならもう一騒がせするのかと思えばとうに過去の人になってるし。左介中心の時間軸からはみ出した武将はどーでもよいの？　それにしても織部って……だじゃれなのかよ！　最初の印象がアレだから数寄を語っても胡散臭いことこのうえない。かわいらしい妻女おせんだけが心の安らぎ。

乱飛乱外(3) (シリウスKC)

雷蔵はべつの姫に乗り換えました。こんどのターゲットは柳生です、以上。まあエロコメ展開に興味ないからどうしても点が辛くなるんだけど。前巻に比べれば情けなくはなくとも、ハンパに男前でまたしても姫の心をかっさらってくのがなあ。角と向き合えよ！　とかねがね思ってたが向き合う前になんか価値が出て来ちゃって、うやむやのうちに「あっていいこと」になってんのがなあ。ホントぬるい。