読了本

獣の奏者 II 王獣編

獣の奏者 II 王獣編

闘蛇編を読んでパーンの竜騎士ジュブナイル版を連想させると書いたものの、人と獣の関係をどうとらえているかについては大きく異なっている。パーンシリーズのほうがずっと無邪気で疑うことすらしなくて、そこは私にとってちょっと引っかかるところでもあった。エリンが常に抱いている罪の意識のほうが心にしっくり馴染むのだが、これって東洋と西洋の価値観・精神性の差なのかなあ、なんて大雑把にくくれるようなもんじゃないか。
しかし人と獣よりも、人と人のほうがもっと分かり合えないというのは切ない。母の一族との決別シーンは胸が痛かった。エリンの孤独と虚無が埋まる日はくるのか。イアルとの再会は? というかそもそも二人は生き延びられるのか、と先が気になって気になってしょうがないのだが、続編はいつ出るんでしょうね……。あ〜も〜続き待ちの作品をいっぱい抱えて蛇の生殺し状態なのが気持ちいいなんて、本読みってぜったいドMだよ。
昨日「精霊の守り人」アニメ化特番で上橋さんのしゃべるとこを初めて(かな?)見たが、想像よりもアネゴ肌というか、さばさばした感じの人でちょっと意外だった。もすこし繊細な雰囲気なのかと……いや上橋さんがずぶとそうとか言うわけじゃないが。そういえばアボリジニの村にフィールドワークに行っちゃうくらいには行動的な人なんだよなあ。

追記。
続きがでるんじゃないの? これで完結なの? マジデスカ? 一生ナマ殺し? そんな〜〜〜!! でも守り人シリーズだって1冊目が出たころはそのあと9冊も続きが出るなんてたぶん作者本人も思ってなかったんだろうし、続編の可能性がないわけじゃないんだよね? でないと私、がっくりきて10歳くらい老け込んじゃいそう。