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縄文物語 わのきなとあぐね

縄文物語 わのきなとあぐね

祝・復刊。楽天に予約してたのが21日に届いた。発売日は20日のほうだったみたいね。旧版より版型が大きくなって絵に見ごたえがあるのが嬉しい。旧版では細すぎてとんじゃってた線もちゃんと出てるし(かつては「赤くなっとる……」と言われてるわのきなが赤く見えなかったりした)。少女の目を通して縄文時代の人々の生活を丹念に描いているのだけど、知識だけで描かれた学習漫画では決して出せない豊かな地域色、濃厚な生活感、そして溢れんばかりな縄文時代への愛を感じる物語なのだ。丁寧に描きこまれた絵柄、言葉の選び方と置き方、間の取り具合、話の落としどころ、すべてが好みで17年前に発売された当時は繰り返し読んだ。今でいえば「ダッシュ村」を観てる感覚にちょっと近い。郷愁と憧憬……かな。
第一話のころから迫力のある絵を描く人だったが、連載が進むにつれてどんどん絵がうまくなってきて、「御龍神様、降る」「時代 移りて」のあたりは神!とか思っていた。わのきなめちゃめちゃ可愛いんだもん。どの回のエピソードも大好きで、ベスト3とか選べないくらい。別格は御大地女神様、あの「濃さ」は当時ちょっと衝撃だった。描きおろしエッセイによれば今は昔の絵が描けなくなったそうで……キャリアが長いとそういうことってあるよね。「巖の森」は「ニタイとキナナ」の交易者アビ様再登場? イグナ・チベはネイ様の先祖か子孫? 縄文ふうのRPGという感じで「わのきなとあぐね」とはかなり趣の違う話だった。