読了本

レインツリーの国

レインツリーの国

『図書館内乱』で重要な小道具として出てきた“本”が現実のものに。図書隊シリーズとのコラボ企画だが、小牧はいったいどんな顔して鞠江にこの本をすすめたんだ、とつっこみを入れたくなるような直球のラブストーリー。耳に障害のある女性をヒロインに据え、そこから起こる諸問題にも真っ向から取り組んで、しかもちゃんとエンタテインメントしてるあたりが作者らしいなあと思わせる、ドンパチは一切ないけどパワフルで前向きな物語である。伸の関西弁がいい緩衝剤になっていて、思わず顔が赤らむようなシーンも胸の痛くなるような場面もぐいぐい読ませた。