読了本

北雪の釘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1793)

北雪の釘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1793)

『中国鉄釘殺人事件』(三省堂刊)の改訳新版。和邇訳は読みやすくてかなり好き。次々と人が殺され、ついにはディー判事をも悲嘆にくれさせる事件へと発展する。謎が謎を呼ぶスリリングな展開に思わず釘づけだ。いつにもましてロマンス色が濃く、しかも悲恋だったりするためいっそう読者の涙を絞るのだった。『南海の金鈴』165ページを読み返さないと。判事お疲れさま、とねぎらいたくなるのは毎度のことだが、今回はほんとに気の毒だった……。