読了本

天と地の守り人〈第1部〉 (偕成社ワンダーランド)

天と地の守り人〈第1部〉 (偕成社ワンダーランド)

天と地の守り人〈第2部〉 (偕成社ワンダーランド 33)

天と地の守り人〈第2部〉 (偕成社ワンダーランド 33)

シリーズ最終編。全巻揃ってからと思っていたけど読んでしまった。これまでの物語の流れがひとつに集まり、大河の奔流となって“どこか”に行き着こうとしている。その瞬間が今から待ち遠しくてしかたがないのだが、まだひと月待たなきゃならんのね……。第一部のクライマックスは本当にみごとで、バルサとともに苦しい旅をしてきた気分の私は安堵感で力が抜けそうになってしまった。第二部のクライマックスには目頭が熱くなったし。伏線もうまくきいていた。ひきしまった構成とスピード感はほんとうに児童書離れしている。
土の匂いのする骨太なストーリーは相変わらずだが、描写や比喩のはしばしに何やらなまめかしいニュアンスがうかがえるようになったのはナユグに春がきた影響? 性的なことも生命の営みのひとつだけど、この小説でどこまで描かれるのか、正直甘くみていた。つかあれですか、野合ですか……。そこまで行ってるとは。でもそれが自然だよねえ。チャグムがアラム・ライ・ラでバルサをからかうくだりなんかも結構きわどい。そういう話を普通にできるような年になったんだなあ。でも分かってて言ってんのかどーなのか。