読了本

金鵬王朝 陸小鳳伝奇シリーズ 1

金鵬王朝 陸小鳳伝奇シリーズ 1

ミステリ風味の武侠小説、シリーズ一冊目は小学館文庫『陸小鳳伝奇』(1999)の完全版になる。文庫で既読のはずなのにあとがきを読むまでまったく気づかぬままドキドキハラハラしっぱなしだった(足の遺伝のエピソードには覚えがあるなあと思ったんだけど……皇なつきのイラストが忘れがたい)。古龍の作品はニヒルなのにロマンにあふれていて、読んでるうちに芳醇な酒に酔ったような気持ちになるとこがたまらなくいい。しかもわずかな出番で強い印象を残すキャラのオンパレードなのだ。峨嵋派の娘たちによる「いい男談義」には思わず笑ってしまったが気持ちはわかるわ。今回は全6巻+外伝のすべてが翻訳されるらしいので楽しみ。