読了本

安楽椅子の“安楽椅子探偵”と小学生のコンビが繰り広げる日常の謎系ミステリ第2弾。うーん、わりと普通。アーチーも暑さのせいかあまりぱっとしないし。国名シリーズになぞらえてるのはわずかに面白い(でも本家は未読)。オランダ水牛について知らない人はくれぐれも読む前にぐぐってはいけない。第3話は比較的ひねってあって面白かったが、楠さんの謎に「漫画かい!」とつっこんだら本文でも衛がつっこんでいた。いっそ漫画化したらいいのではなかろうか。

新耳袋―現代百物語〈第9夜〉

新耳袋―現代百物語〈第9夜〉

奇抜な色づかいの装丁はシンプルだった第十夜とはえらい差だ。ほとんどが単発の怪談な中、巻末の警備会社のI元課長の話はエピソードが連続するだけにたたみかけるような怖さがあった。とはいえ原因が分かったり、怪異がおさまったというオチのつく話は読むほうも安心してしまう。大長編にオチがないのは困るが、こういう小話群ならブッツリ切れるように終わるほうが印象に残るし好みだ。「さびしそうな犬」のオチにはちょっと笑ってしまった。