ぺんぎん書房版に未収録分172ページを加えた完全版。ツキの全くなかった男が他人のささいなワガママのせいでさらに底に落ちた――。ゆきずりの人はイアンに親切にしてくれる。だが「家族のぬくもり」を求めて放浪してきた彼はついになにも得ることができなかった。読んでて悲しくなり、読み終わった後もしばらく眠れなかった。決して救いがないわけではないのだが、淡々と紡がれる物語は安易な救いを欲せず痛みも辛さもあるがままに受け入れる。はっきり描かれていないことがたくさんあるけれど、読者には絵の裏側、コマとコマのすきまにあるものがきちんと伝わるようになっている。シンプルだが底は深い。
裸体がホントにいっぱい！ だけどぜんぜん萌えない……。モンチッチのお笛はやることなすこと面白いんだから原作を多少アレンジしても他の女たちにも個性的な見せ場をつくればいいのに。十兵衛に目隠しするお圭、みたいなのとかをもっと！ 天丸成仏のくだりは見ごたえがあった。仕えた主人が悪かった……あーそうか、命じられるままにやっただけなのか。そりゃ犬だもんな。しかし沢庵和尚はまず加藤明成に喝を入れればいいんじゃないの？ すでに救いようがないかもしれないが。
マルレ・オーケストラ猛特訓、そしてリベンジへ。やっぱり演奏シーンは面白いよなー、漫画でこれだけ魅せるんだからドラマで動きと音が加わったら一体どんだけすごくなるのか、でもあんまり期待しないでおこ……と思いつつ観てた４話のＳオケ・ベートーベンにはマジで痺れた！ 録画しておけばよかった。さてターニャが無駄に綺麗になってますが、恋して綺麗になったのか下痢のおかげなのかがあいまいなあたりが
二ノ宮知子だなあと。それでもやっぱりのだめよりターニャのほうがヒロイン度が高いぜ。
