読了本

<金田一耕助ファイル 15>。都会が舞台の長編。雨のショボショボ降る夜に出没しては人を殺す不気味な“雨男”。彼が標的としたのは戦後巨万の冨をなした実業家、風間欣吾の愛人たちであった――。もうシリーズの半分以上読んできたが、これはまたエログロ趣味ここに極まれりな作品だ。まだ読んでない中にもっと凄いのが出てきたらイヤだなあ。金田一シリーズにはたとえ陰惨な殺人事件が続いても読後感は悪くない作品が少なくなかったのだけど、これはかなりあと味が良くないかも。事件解決後のドライな空気に殺伐としたものを感じてしまう。