読了本

眠れる女王―エレニア記〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

眠れる女王―エレニア記〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

水晶の秘術―エレニア記〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)

水晶の秘術―エレニア記〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)

<エレニア記>刊行開始、全6巻予定。主人公スパーホークの年齢がガリオンよりもうんと高めなせいか全体的に渋くて抑えた雰囲気、だが軽妙な会話の魅力はそのままだ。エディングス作品はいつも女性が強いのだが、このシリーズでも騎士団のこわもてたちに“小さき母上”と敬愛される穏やかなセフレーニアが素敵。そして王女の病の進行をくいとめるために命を張った十二の騎士が次々に力尽きていくさまが涙を誘う。ただ<ベルガリアード><マロリオン>のときもそうだったけれど、あらかじめ決められた流れに沿って物事が進んでいく予定調和な印象が強いのはちょっとひっかかる。神々はすべてお見通しなんだとしても、なんだか人間がゲームの駒みたいで。あとがきでは前にこのシリーズが出版されたときの秘話が明かされている。これまでは角川が一方的に悪者扱いされてる感じだったもんなあ。