読了本・コミックス

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

架空戦記のコミカライズ。このジャンルにはまったく疎い私だが、単に歴史のifが描かれるだけじゃなくてパラレルな舞台が設けられる場合もけっこう多いのだろうか? ここでは〈大協約〉世界という、しゃべる龍が出てきたり剣牙虎(サーベルタイガー)が人に従ったりする、ファンタジックな方向にスライドした世界が舞台だ。それ以外はほとんど日露戦争あたりの事実がモデルになってるのかな? シビアな戦争の行方が丹念に描かれていく。主人公は皇国の新城直衛中尉、お供の剣牙虎は千早。巻末おまけマンガにもあるけど、とにかく“猫”が可愛い。だって伏せると牙が雪にささるんだよ。健気だね……。天龍の坂東一之丞が再登場するといいなあ。原作読んでみようかなあ。

ぼくと未来屋の夏(2) <完> (シリウスKC)

ぼくと未来屋の夏(2) <完> (シリウスKC)

完結。中島氏の鬼気迫る感じが凄い。あの狂気をおびた笑いは小学生とかにはトラウマになりそう。宝物とは結局なんだったのだろう。ラフスケッチやエピローグのさらに後に、原作にはない意味深な一幕が追加されている。Schnittwundeというのはドイツ語で切り傷を意味する単語らしいが……ますます何がなんだか分からない。女性はおさよさん? とにかく人魚の呪いの伝説には裏があるようだ。彼がドイツ語で話しているのはサン・ ジェルマン伯爵最期の地がドイツだからなのか……?

暁星記(6) (モーニング KC)

暁星記(6) (モーニング KC)

出た! 完全描き下ろしによる1年ぶりの新刊、新章〈地獄変〉がいよいよ開幕。密度が濃くて話も安定してて面白かった。前巻では風呂敷ひろげすぎな感じがしてちょっと心配してたのだが、杞憂だったかも。なんと次巻で完結だそうだ。どうオチをつけるのだろう。それぞれのキャラは先の見えないまま、自らの役目を果たしつつあるらしい。マユミが妙に可愛く、またどこかユーモラスな描かれ方をしているのは作者の心の余裕のあらわれなのかな? ヒルコも人間味を増してるようだし。〆切に追われないほうがいいもの描ける作家も確実にいるんだろうからなあ……。