読了本

レキオス (角川文庫)

レキオス (角川文庫)

文庫化したので再読。最初に読んだときは途切れぬハイテンションにただただ圧倒され、なじみの薄いオキナワ的キーワードにも翻弄されっぱなしだったが、池上作品は決して勢いだけではない。分厚さを感じさせない突飛な発想と緻密な構成力によって生まれる極上の面白さ……これをホントに計算なしで書いてるのなら、きっと池上永一には琉球じゅうのセジが滔々と流れ込んでいるんだろう。やっぱりサマンサ・オルレンショー博士は最高。ろみひーも傑作だが。デニスをはじめコニー、チルー、ユタのオバァ、ポーポー売りのオバァなど女性キャラの際立つ個性に男性キャラは押されている。そこらへんもオキナワ的なのだろうか。映画化しないかなあ。大迫力の映像になるだろうに。でもサマンサがいるから無理ね。映倫のお許しがおりないもの、くすくす。