読了本

沼地のある森を抜けて

沼地のある森を抜けて

第一章「フリオのために」とそれ以降では何だかずいぶん話のトーンが違う。最初は先祖伝来の呻くぬか床から幽霊のようなものが生まれる、という不思議現象をコミカルに描いていて、なるほどexite booksで『もやしもん』とともに取り上げられるわけだと思っていたら、話はどんどんシリアス化、というか観念的になってきて……。久美と風野さんが科学畑の人という設定だから『蟲師』のような幻想や抒情にとどまりきれず、かといって生々しくも描けず、話の落としどころに苦労したのかな。読み終わった後でぬか床かき回して、ついでに胡瓜とセロリ漬けた。美味かった。

エキサイトブックス「マンガばかり読んでるとバカになる」
第26回 ト、トレビアーン、発酵食品対決!『もやしもん』vs『沼地のある森を抜けて』
http://media.excite.co.jp/book/daily/wednesday/026/