読了本

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

発注ミスで文集「氷菓」の大量在庫をかかえることになった古典部。そのいっぽうで文化祭の最中に次々と何かがなくなる事件が発生。知名度を上げて文集を売るため、犯人探しに古典部が挑む。
角川文庫刊『氷菓』『愚者のエンドロール』に続く<古典部>シリーズ第三弾……だったらしい。知らないで先にこれから読んじゃった。でもそれなりに楽しめた(前作のネタバレはあったかも?)。カンヤ祭の由来を知るために1作目から読まないとな。お料理研究会のイベント、野外料理対決「ワイルドファイア」が手に汗握る面白さ。わらしべグッズがこんなとこで役に立つとは。天文部の料理を試食した審査員のコメントには吹きだした。

中世の非人と遊女 (講談社学術文庫)

中世の非人と遊女 (講談社学術文庫)

『風神秘抄』ISBN:4198620164。こういう硬い本を読み慣れていないのでかなり大変な思いをしたが刺激的で面白かった。血肉になっているとはとても言えないけど(ところどころ斜め読み……)。
風神秘抄には遊女や白拍子、傀儡などが登場してくるが、彼らを現代の差別的な視線――たとえば汚れたものとか落ちぶれたものとか――でとらえると本質を見失う、ということは理解できた。むしろ聖なる存在としてその職能に奉仕するものたちだった。だからこそ白拍子の糸世は後白河院にお目見えし、傀儡の幸徳は院の手足となって働き、青墓の大炊さまはかなりの権力を持っていたわけだ。あ、いま気づいたけど風神秘抄って梁塵秘抄に掛けていたのか。