読了本

蒼路の旅人 (偕成社ワンダーランド (31))

蒼路の旅人 (偕成社ワンダーランド (31))

上橋さんは今後、女用心棒バルサの物語<守り人>シリーズと平行して皇子チャグムをめぐる物語<旅人>シリーズを描いていくらしい。重厚で骨太な筆致はバルサの物語と変わらないけど、まっすぐで芯の強い少年が主人公なだけに爽やかさが加わり、また痛々しさも感じられる。国家間のパワーゲームに翻弄されながらチャグムがどうなっていくのか、<守り人>と<旅人>の二つの糸が縒り合わさることでどんな文様が織られていくのか、眼が離せない。カバーイラストは「このシーン」だったのか〜と終盤ちかくで悶絶した。214ページ見開きの挿絵もいいね。