読了本

新装版 風雪の檻 獄医立花登手控え(二) (講談社文庫)
『新装版 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)』藤沢周平講談社文庫、2002)。
このまま莫連女になるのかと危ぶまれた驕慢なはねっかえり従妹・おちえが妙にしおらしく可愛らしくなっていくのが面白い。いたずらっぽいところは消えてないけど、いたずら心という点では登のほうが何だかその上を行くみたいだなあ。行水シーンはともかく、働いたごほうびをねだるおちえを相手にするシーンはかなり天然入ってて、こっちがきゃっと叫んで逃げ出したくなっちゃったよ。顔が自然にニヤけてしまってしょうがない。藤沢周平の描く恋愛ってほんとに微笑ましくて可愛いな。その可愛いおまけつきの「処刑の日」は緊迫感ただよう構成で、クライマックスでの一喝にはしびれた。