読了本・コミックス

エマ (5) (ビームコミックス)
『エマ 5』森薫エンターブレイン、2005)。
表紙のエマがもの凄く美人さんだ。やはり恋が女を磨くのだなあ、とか思ってしまうくらい森さんの絵は急速にうまくなった。前からうまい人だったけど最近は神がかったうまさ。この巻のクライマックスはやっぱり「ハワース訪問」のとこだと思うけど、フキダシや効果音がまったくないコマをえんえん続けて(なんと6ページにも渡って)これほど読ませるのだから、小説化しようったって並大抵の工夫じゃできないだろうなあ……久美さんのノベライズはまだ読んでないけれど。エマがメイド服に着替えるシーンがエロスとか萌えとかをさらに越えて“かっこいい”のレベルに達してるってのがまたすごい。でもってヴァイオレットのはしっかり“いやらしい”。しかもエロスを言葉じゃなくて“足”で表現してるんだから。
オーレリアとリチャードのなれそめも良かったな、ウィリアムの父さんはけっこう心の細やかな人なんだね。妻に向ける顔のやさしくて切ないこと。暖炉かき回しながら浮かべる静かな笑みとのギャップが怖いよー。そのジョーンズ夫妻の人格をゆがませストレスで倒れさせたイギリス貴族社会に挑戦しようとするメルダース夫妻もかっこいい。この二人はぜったいに凹まされそうにないものな。だがエレノアは可哀想すぎるよなあ、エマたちだけじゃなくて彼女も含めてちゃんとハッピーエンドになるんだろうか。どうにかしてくれ坊ちゃん、あんたこのままじゃ二股がけの最低男だよ! 予告の不穏な台詞はキャンベル子爵なんだろうか。怖いよー。しかしあとがきには笑わされっぱなしだった。電磁波の影響なんかいっ。