読了本

QED ベイカー街の問題 (講談社ノベルス) QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)
QED ベイカー街の問題』高田崇史講談社ノベルス、2000)。
ホームズについては一般常識程度しか知らないので日本史ものよりは気楽に読めた。けっこう感心もしたのだけどシャーロキアンの方々にとってはどうなのだろう。今回は事件と薀蓄のバランスがよかったように思う。犯人は罪に問われなくなるのだろうかと読んでてハラハラしてしまったが、忘れていた伏線の回収にちょっとびっくり。あと睡眠薬を大量に飲んでも死ぬことはない、というのもへぇ8つくらい。歴史だけじゃなくて薬学・医学、そしてお酒の薀蓄も面白いシリーズ。カクテル“シャーロック・ホームズ”が美味しそうだ。

QED 〜ventus〜 鎌倉の闇』高田崇史講談社ノベルス、2004)。
ventusとはラテン語で「風」だそうだ。歴史とは我々の意図とは無関係に大空を流れていくものだから、とは本文中の言葉だがこの巻にだけつけられたのは何故だろう。いつもより短めの、中編といってもいいような分量で鎌倉と源氏三代の謎が解き明かされていく。歴史の謎と事件の謎が連動しているのがこのシリーズの特徴だが、今回は歴史にくらべて事件の部分が適当というか苦し紛れというか、現実味がなさすぎな気がする。ventusの巻はいっそタタル的歴史ガイドにしてしまえばよいのになあ、むりに事件を起こさなくても。

ところで『QED 百人一首の呪』の和歌パズルについて「百人一首・百人秀歌の表を合わせて、たった一ヶ所だけ強引な部分がある」と作者が公式サイトで語っているのだが、どこのことだろう。私が思い当たるのは百人一首のほうの躬恒の歌なのだが……(id:teatree:20050111)。

 ・高田崇史 公認ファンサイト -club TAKATAKAT-
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