読了本・コミックス

金魚屋古書店 1 ISBN:4091885535芳崎せいむ小学館IKKIコミックス、2005)。
金魚屋古書店出納帳 上ISBN:4091885519 下ISBN:4091885527」の続編。というか、掲載誌が変わったりなんだりで題も改めて新装開店したらしい。版型の変わった新装版「出納帳」にも描き下ろしがあるそうだが買いなおすべきだろうか。
今回は比較的あたらしめのマンガにもスポットライトが当たっている。ひかわきょうこの千津美と藤臣君シリーズ、懐かしいなあ。私も大好き。壊滅的にドジな女の子を自然体で守ってくれる朴訥なナイト。ほんとに思わず膝をついてしまうカッコよさなんだよね。こういうマンガへの愛が随所に描かれるところに共感。でも今回は“まんがばか”斯波キングの出番が少なくて残念だ。杉浦ヒナコさんの本はたいてい読んでるつもりだったが『百日紅』をとりこぼしていたようだ。いかん……。キララ堂の巻末コラムもいい。

のだめカンタービレ(11) (KC KISS) カルバニア物語 9 (キャラコミックス) 
のだめカンタービレ 11』二ノ宮知子講談社コミックスKiss、2005)。
今回も笑いっぱなしだった。特に「子供を歯医者に連れていく親」「お笑い芸者」みたいな欄外のつっこみに。どんどんラブラブになっていくなあ千秋とのだめ、当人たちは無自覚に。でも千秋が音楽バカで、のだめが不思議ちゃんだから普通の少女マンガの枠におさまらず一般にも受けるのだろう。ここのとこオーケストラ中心のせいか音楽シーンの迫力がすごい。

『カルバニア物語 9』TONO徳間書店キャラコミックス、2005)。
ベルボンの話は傑作だった。エキューやりたい放題。それとやっぱりライアンとはいいコンビだ。主要キャラが活躍しなくても面白かった「コーディーの金髪」は“へんなうずまきもよう”にとどめをさされた。TONOさんの頭の中にはいつもこういう発想の転換、視点の転換がうずまいているのかな。楽しそう。

Landreaall 5 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) エビアンワンダーREACT 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) 鈴が鳴る―教室の四季シリーズ (マーガレットコミックス)
『Landreaal 5』おがきちか一賽舎スタジオDNAゼロサムコミックス、2005)。
学園編はほんとうに面白い。というより私ごのみなんだろう。こういう日常生活のこまこました描写のが好きなので。同じくらいの年頃のキャラしかいなくても、ドラマにとても厚みがあって読んでて楽しい。個性と個性のぶつかりあう男子寮のほうもいいし、可憐な女の子達が可愛く過ごしている女子寮のほうもいい。ところで今までずっと「ランドリエール」だと思ってたけど「ランドリオール」なのね。

エビアンワンダーREACT 1』おがきちか一賽舎スタジオDNAゼロサムコミックス、2005)。
エビアンワンダー 1 ISBN:4785922397 2 ISBN:4785922524」の続編。すこし話がシリアスになっている。“銀符”が悪人の魂を喰らうというのはある意味爽快で、ピカレスクな魅力があるのだが、相対する存在の“七錘”ヘスの出現で少々趣が変わってきた。彼がフレデリカの血の繋がらない“兄弟”ならハウリィもまたそうだ。問題を抱えるフレデリカと迷わないハウリィの対比も物語に奥行きを与えている。

『鈴が鳴る 夢路行全集12 ISBN:4758051089夢路行一賽舎スタジオDNAゼロサムコミックス、2004)。
全集の画像がなくて寂しい……マーガレットコミックスのは出るのに。「鈴が鳴る」は夢路作品のなかでも好きな話。『謡う海』『天からの贈り物』の感想にも書いているけど(id:teatree:20040914)入鹿先生やソーマのような大人の女性が主人公だととても心地よく読める。ラストで入鹿先生がロングヘアになって帰ってきたのは、見かけよりもずっと傷つきやすい彼女の心が快復してもとの“やわらかさ”を取り戻したからだろうか、と思うとちょっと泣けた。

ますらお 6 (少年サンデーコミックススペシャル) ますらお 8 (少年サンデーコミックススペシャル) パリパリ伝説―不思議いっぱいパリ暮らし! (1) (Feelコミックス)
『秘本義経記 ―ますらお― 一 ISBN:4091935516・二 ISBN:4091935524北崎拓小学館文庫、2004)。書影はコミックス版のもの。
大河効果か、あの「ますらお」が文庫になった。いままで描かれた義経もののなかでいちばん好きだ。大河にもこういうテイストを求めていたのだが、新選組!の反動のようにオーソドックスだよねえ……。それはさておき、飢えた狼のような遮那王と人情に厚い弁慶という組み合わせは本当にグッと来る。可愛いだけでなくお転婆なしずかも非常に新鮮だ。

『パリパリ伝説 1』かわかみじゅんこ祥伝社フィールコミックス、2004)。
パリ在住記、ときどきスペイン&インド旅行記かわかみじゅんこは絵のうまい人だが、こういう「へたうま」っぽいのも描けるんだなあ。なんだこのダンゴに毛がはえたような自画像はー。のほほんとした脱力感と以外に鋭いつっこみのバランスがいい感じですごく笑った。

Rozen Maiden(3) (バーズコミックス) Drops 3 (バーズコミックス ルチルコレクション)
『空に游ぐ魚 天竺夜話2  ISBN:4091670148神坂智子小学館flowersコミックス、2004)。
インドではファーテ、イギリスではカシュウとふたつの名で呼ばれる少年。敵対するふたつの国のどちらにも属し、どちらをも捨てることができない。いまは混沌の中にいる彼も、いつかどちらかを選びどちらかに別れを告げるのだろうか。

ローゼンメイデン 3』PEACH-PIT幻冬舎バーズコミックス、2004)。
球体関節にはジュンでなくても驚いた。そりゃ最初から「人形」だって言われていたけど、目覚めたら人間の肉体を持つようになるのかと何となく思ってたから。……その、人間の肉体を持たないことが“ガラクタ”であることを恐れる真紅に繋がっていくのがうまい。

DROPS 3』南京ぐれ子幻冬舎バーズコミックス ルチルコレクション、2004)。
ようやく完結。外に出たドロップが幸せになれるかどうかは結局「相方の甲斐性」によるのか? ていうか成長できるんだ? 消されなければ。シナモンとハッカが親子のままでいればOK? 彼らの未来をまたドロドロに描くこともできるだろうけど、もうこのまま甘々で終わってくれていいや。