読了本

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻之三 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻之四
『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三、巻ノ四』夢枕獏徳間書店、2004)。
大長編、これにて完結。なかなか面白かった。ただ、いくらあとがきで獏さんが自画自賛しようともやっぱり伏線が活かされきってないとか途中で話がダレ気味になったりとかいう嫌いはあるのよねえ。完結までに長い歳月が費やされたし、また作者自身も目的地を定めずに大海に乗り出したということだから仕方ないのかもしれないが。何となく未消化のもやもや感が残る。楊貴妃のことは思いつかなければよかったのにとさえ思ったり。あれで話に厚みはでたが、広がりすぎちゃったから。逸勢もいいとこなしでちょっとかわいそう。でも黄鶴と玄宗の因縁話はインパクトがあったし、空海と丹翁の出会いで始まり別れに終わるあたりはとてもよかった。グロシーンは好みが別れるところか。私は二重の意味でいやんなっちゃったのでかなりスルーしてしまった。