読了本

戦中派動乱日記―昭和24年・昭和25年 『戦中派動乱日記山田風太郎小学館、2004)。
山風27歳にして、昭和24年〜25年の戦後の日々を綴った日記。『戦中派虫けら日記(昭和17年昭和19年)』『戦中派不戦日記(昭和20年)』『戦中派焼け跡日記(昭和21年)』『戦中派闇市日記(昭和22年、昭和23年)』と続く日記の最新巻。うっかりここから読んでしまったが、できれば最初の巻にさかのぼって読みたいと思う。
たとえ1行であっても毎日やすまず記録をとっているのが凄い。三浦しをんも新聞書評で書いていたが、風太郎先生たしかに泥酔しすぎ、女遊びしすぎ。さらに1日1冊は読書するか、1篇書き上げるか。濃い毎日だなあ……ものすごく精力的。だけど日記の記述はクールで非常にニヒリスティック。女性蔑視にもギョッとさせられる。いくつか作品を読んだ中でそれを感じたことはなかったのだけど、初期のものには色濃かったのかも。「ああどうも女性を軽蔑していたら、今のところはまだちょっとまずいね」と当時も文壇内で評されていたらしい。