読了本

コロボックル物語星からおちた小さな人』『ふしぎな目をした男の子』『小さな国のつづきの話』(佐藤さとる講談社文庫)。シリーズ3,4,5作目。
コロボックルには不運にも人間に捕獲されてしまったときに守らねばならぬ「掟」があるという。……自分から犬猫の口に飛び込んでいったコロボックルのことを思うとマジ泣きな私。つむじ曲がりのツムジイがカワイイ4作目があれば、5作目の展開は必然か。コロボックルがぐんと身近に感じられ、いまにも目の端を横切りそうな気さえするが、こうなるとちょっとファンタジー性が薄れるようで残念でもある(何とわがままな)。もしかしたら私も彼らの友達になれるかも、とワクワクできないのはヨゴれた大人であるからだろうか。
私が幼い頃は司書や図書館に恵まれなかったので、5作目で描かれる図書館事情はとても羨ましい。杉岡さんみたいな人が私の町にもいればよかったのになあ。思い出の中の図書館は暗くて冷たい場所、これ以上の不幸があるだろうか。学校の図書室も鍵がかかっていることが多く、ジャンケンに勝てなくて図書委員にもとうとうなれずじまい(図書委員は他の委員に比べ楽だとされて人気があった)。また子どもの頃にこの本を読めていれば将来の夢ももっと具体的に描けたに違いない。司書という職業があるのは高校生になるまで知らなかったから。ほんとに、子どものときにこのシリーズにめぐり合えなかったのが返す返すもくちおしいぜ。