読了本

だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1) 豆つぶほどの小さないぬ―コロボックル物語 2 (講談社青い鳥文庫 18-2)
だれも知らない小さな国 コロボックル物語1』佐藤さとる講談社文庫、1973)
豆つぶほどの小さないぬ コロボックル物語2』佐藤さとる講談社文庫、1975)。
講談社文庫版はもう絶版みたい。古本屋で買って集めている。ハードカバー青い鳥文庫はまだ書店で入手できるようだ。書影は青い鳥文庫のもの。
懐かしい匂いのする和製ファンタジーである。児童文学の古典といってもいいほどだが内容も文章も古くなっていない。雰囲気や言葉づかいが心地よく、するする読めてしまう。第一巻は不思議な言い伝えのある小山に惚れこんだ少年のお話。古きよき児童文学のエッセンスをこれでもかと詰め込んである。いいなあ、子どもの頃に読みたかった。そういえばアニメ版を見た記憶があるが……。“せいたかさん”と“おちび先生”のみずみずしい恋模様も楽しい。第二巻では微妙に世代交代、主に活躍するのは若きコロボックルたちだが前作の登場人物たちも脇を賑やかに固める。もはや絶滅したと思われた“マメイヌ”を探索するようすはミステリといってもいいかもしれない。冴え渡るせいたかさん&風の子の推理(ちょっと嘘)。