読了本

『首斬り門人帳 新装版』高瀬理恵(小学館ビッグコミックス、2003)。
『公家侍秘録』が面白かったので購入。“首斬り浅右衛門”として有名な試刀家・山田浅右衛門と、彼に弟子入りした旗本の次男坊の話。かなり読ませる。貧乏な南部藩の悲哀を描いた「竹光侍」の回が面白かった。「刀守り」は公家侍の前身か。天野守武は相変わらず爽やかだが、これに比べると『公家侍』は薫子がキャーキャー騒ぐぶんだけ劇画色が薄まってコミカルになっているな。

『ある夏の日の…他(新耳袋より)』佐伯かよの他(メディアファクトリーMF文庫、2003)。
佐々木泉の短編2つが目当て。「雪行灯」は井戸にまつわる怪談で、小泉八雲の「鳥取の布団」みたいな優しいテイストがいい。「お弁当狐」はとても可愛い話。私が子どもの頃、口の周りにご飯粒をつけていると「オベントつけてどこいくの」と歌いはやされたものだ。ほかの話はおざなりに流し読み。割と怖い話は多かったが。

『STAYリバース 双子座の女』西炯子小学館flowersコミックス、2004)。
シリーズ1作目に出てきた異色キャラ・刈川エリが再登場。エリが可愛い女の子じゃなくて妖しげな娘さんだからこそ「会えてよかったわね」「わたしがついてるわ」等等の台詞が活きる。また少女漫画でなければこういう世界は描けないだろうと思う。

『小鳩邸異聞』高野宮子ビブロスZEROコミックス、2004)。
後天的に霊感を得た青年が主人公の怪談ファンタジー。うーん、ちょっと期待しすぎてしまったかも。悪くはないんだけど。こういうのが高野さんの描きたい話なのかな?と疑問にも思ってしまう。でも短い話だが「湖畔」は面白かった。アイデアの勝利。

『蕗のお便り 2』菅原雅雪講談社ワイドKCモーニング、2004)。
ずいぶん話が壮大になったものだ、が。ええ〜、こんな終わり方なの〜。そんな……せめて田んぼのあぜ道で……。マカヨとコルコニ可愛くて好きだった。