読了本

『動く指』アガサ・クリスティー/高橋豊訳(早川書房クリスティー文庫37、2004)。
ミス・マープルもの。クリスティー文庫の活字の大きさにも慣れたのか、とても読みやすかった。訳文がよかったのかもしれない。仲のいい兄妹が怪我の療養のためやってきた片田舎。ゆっくり休養できるかと思いきや、悪意に満ちた中傷の手紙があちらこちらに届けられ、ついには殺人事件へと発展していく。ミス・マープルがなかなか登場しないのでやきもきしてしまったが、ジェリーとジョアナのバートン兄妹はなかなか魅力的な語り手だった。オチも爽やかだ。しかし久美沙織の解説はイマイチ。YUMINGってあなた。似ても似つかないと思うけれど。