読了本

『海より生まれし娘 上下』ダイアナ・マーセラス/関口幸男訳(ハヤカワ文庫、2004)。<シャーリアの魔女>シリーズ第1作。うーむ、メロドラマ・ファンタジー。メロドラマは嫌いじゃないけどこれは昼メロっぽいというかレディースコミックのりというか……。ベッドシーンには辟易。ブライアリーもなんでそう安易によろめくのか。変態訊問官のくだりもキモかったし。これでカバー皇なつきじゃなかったら下品すぎて耐えられないところだった。「ル・グゥインに比肩する」は褒め過ぎだと思うぞ。まあ普通に面白いので続編は読むつもり。
しかし訳文がちょっと苦手。読点が多すぎてリズムに乗りにくい。西村京太郎ほどじゃないが、〜は、だけど、って主語や接続詞の後にいちいちテンを打つのは素人の文章みたいでないかい? 読点が少なくても読みやすいのがプロの仕事だと思っていたのだけれど、ちょっと検索したら「主語の後には必ず読点をいれるべし」とか教えているところがあって驚いた。そういうのが今後の日本語のスタンダードになっていったらヤだな。