読了本

『魔女 1』五十嵐大介小学館)。
この人こんなに恐くてグロテスクなのも描くんだ、とすこし驚いた。けど面白かった。「スピンドル」で素朴な少女と邪悪な魔女が見えない紡ぎ手によって縒り合わされていく過程にドキドキ。画力と想像力を兼ね備えた作家ならではの隅々まで描きこまれたコマをじっくり眺めるのが楽しい。“大きな鳥”と“精霊の世界”には眼を奪われた。特に後者は鳥肌ものだ。

『マヤ』須藤真澄(創英社)。
こんなホラーっぽいのも描いてたんだ、とすこし驚いた。ちょっとクセがあってこれまでどこにも収録されなかった短編をかき集め、もう逆さに振ってもこれ以上は出てこない、らしい。「鶏頭樹」の救いようのなさったらなかった。太陽の象やさかなみたいなヘンなキャラは須藤さんらしい。