読了本

『九年目の魔法』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/浅羽莢子訳(創元推理文庫)。
春は「DWJ強化期間」ということに決めた。実はまだ読んでいないものがいくつかあるのだ。これは再読だが、もうずいぶん前のことだから細部はすっかり忘れている。とてもスリリングで面白い話だった記憶はあるものの、昔はリンさんとポーリィのロマンスにばかり眼を奪われていて(背中のエピソードとか……)張り巡らされたファンタジー的な仕掛けにはあまり注意を払っていなかった。むしろそれが邪魔だと思っていた。何て浅い読み方しかしていなかったんだろうね。もっとも今でもつかみ損ねた部分がないとは言えないが。幻想譚は不得手だと実感した。とくにラストがいまひとつ分からない。結局ローレルって何なのだろう。頭で理解しようとするのがいけないのかな。とにかく『金枝篇』は読んでおこう、と前もそう思って岩波文庫を買ったのだが、冒頭数ページで挫折して本棚の肥やしになったままである。今ならいけるか?