読了本

『ダークホルムの闇の君』D. W. ジョーンズ著/浅羽莢子訳(創元推理文庫)。
夜中の3時という中途半端な時間に目が冴えてしまい、本でも読めば眠くなるかと手に取ったら逆効果だった。面白すぎる。読むのは4度目か? 読むほどに味の出てくるスルメ本。ジョーンズ作品の中でいちばん好きだ。緻密にはりめぐらされた伏線、巧妙に配置された手がかり、生き生きとした人物描写……この作りこまれた箱庭感がたまらない。読むジグソーパズルといったところ。さらに動物好きのツボもくすぐるとくる。グリフィン万歳。どこかぶっきらぼうな印象さえ受ける、引き締まった訳文も好きだ。

『愛とは夜に気づくもの』よしながふみビブロス)。
いわゆるボーイズラブ。うーん、毎度毎度の塗れ場はなくてもいいなあ。そしたらBLじゃなくなってしまうけど。同じフランス貴族ものなら『ジェラールとジャック』のほうが個人的には面白かった。ベッドシーンも最初のほうにしかないし。主人公かしこそうだし。つまりお坊ちゃまがおバカなのがネックなのか?