読了本

彼女の色に届くまで

彼女の色に届くまで／似鳥鶏
絵画がテーマの青春ミステリ。殺人事件は起こらないのでわりと爽やかな雰囲気。……になるかと思いきや、登場人物が癖のある変人ぞろい（←似鳥さん通常営業だ）なのであまり爽やかさは際立たないのだった。まったく風戸といい菊子先生といい……。織り込まれる絵画うんちくも興味深く、いつもながらの脚注トリビアもひねりがきいてて面白かった。「ネタバレではないか。」には吹いた。言ったらアカン！

永久囚人 警視庁文書捜査官

永久囚人　警視庁文書捜査官／麻見和史
シリーズ２作目。一部で高く評価されていながら相変わらず現場ではみそっかす扱いの文書解読班。主任の理沙は序盤あんまり捜査に参加できず、新人の夏目もなんだかめんどくさい子で、どうなることかと思ったが……。事件は意外な展開を見せて、1作目より濃くて面白かった。人が物語を書こうとする、ということのひとつのかたちが描かれていて、なんとも神妙な気持ちにさせられた。矢代のカメラはまだ引っ張るのかぁ。