読了本

最悪の将軍

最悪の将軍

最悪の将軍/朝井まかて
五代将軍・綱吉の生涯。これまで庶民ウケの悪かった“犬公方”“生類憐れみの令”の再評価が近年おこなわれているが、この小説で少しは株が上がるかというと……まあちょっとは見方も変わるが、やっぱいまいち好きになれんやっちゃなぁ、って印象。悪い人じゃないし思想も高邁なんだけど、どーしても上から目線なのが鼻につくよねぇ。そのことに生涯気づかないし。その辺、第三者目線でもっとツッコんでほしかった気もする。御台所さまは夫の批判はしない人だからなぁ、仲良し夫婦でほのぼのしたけども。治世の間、天変地異やら大火災やら赤穂騒動やらが続くというタイミングの悪さは気の毒ではあった。まあ対応ミスりまくってもいたが……。将軍にさえならなかったら、よかったのかもしんないなぁ。